【感想共有】私もあなたも裸かもしれない。自由の覚悟? リーダーのジレンマ? 声をかけあえるムラへ? 関市で「裸のムラ」上映会報告

2024年3月10日(日)、岐阜県関市で「裸のムラ」自主上映会、たくさん反省はありますが、皆さんのご協力のおかげで無事開催することができました。

いただいた感想は「いまひとつ」「とても良かった」が、くっきりと2分。

いただいた感想がとても胸に響くものあり、以下に共有しますので、ぜひお読みください。

(特に 「(4)上映後のお話、感想シェアはどうでしたか」 のあたり)

最初に、お詫び申し上げます。

今回も場を無償で貸してくださった中部学院大学の先生、ご厚意の上なのに「前回と同じにいけるだろう」と最新状態を確認不足で申し訳ないです。市民活動助成金の交付を決めてくださった関市役所市民協働課の皆さん、チラシ配布や周囲への声がけをご協力くださった各地の皆さん、そして、忙しい年度末に上映会に参加くださった皆さん、本当に本当にありがとうございました。

今回は、せき防災の会さんも含めて7〜9人のメンバーで運営を行いました。

運営メンバーを除き、参加者は合計34名。(大人30名+18歳以下4名)

→「石川県令和6年能登半島地震災害義援金」に、6,000円(30名×200円)寄付しました。
 義援金付き企画、参加くださった皆さんありがとうございます🙏
https://www.pref.ishikawa.lg.jp/suitou/gienkinr0601.html

今回、施設や内容の事前チェック不足があり、心よりお詫び申し上げます。

  • テスト動画では問題なかったが、少し音声が小さいか?と懸念。急遽、スピーカーの使える別部屋も用意するも、「音が小さいと感じる方は隣の部屋へ」上映開始後にきちんと誘導できなかった。
  • 前回は動いたブラインド一部が故障で閉じなくなっていた。
  • 当日エアコンの調子が悪く、途中で一部冷気を感じたとの声。→原因不明。先生には伝えました。

上記の急遽対応等で、受付開始も遅れ、事前の説明もお詫びばかり多くなってしまい、切り替えがうまくできず本当に申し訳ありませんでした。

映画も、「ナレーションは一切なし」「繋がりや目的が分からないまま、様々な人が出てくる」 観ている人に多くを委ねられる難しい映画であり、もう少し解説したら入りやすかったかもしれません。

当日内容が掴みきれなかった方、申し訳ありません。

以下の感想と共に、映像を思い返していただけたら幸いです。

(2)印象に残ったシーンなどありましたか?

  • 自己を見つめるため車中生活を選択。私には無理だと思った。それほど強くないから。
  • 松井さんと、ヒクマさんの戦争について話しているシーン。
  • 寒さと音声が小さく理解できませんでした。
  • イスラムへのスパイを公安が依頼したのが衝撃でした。
  • 日本はアメリカの属国なのか…… インドネシア人には好意的だけど、イスラム教徒だと偏見があるのは悲しいことです
  • 会見での馳知事の新しい石川の中身のなさ。
  • 水を拭く女性、あれは誰に言われてやってるのか。廊下で待ってる職員の姿も。勝手に周囲がおもんばかって? 一人一人の配慮のせいで、そこに持ち上げられる人の在り方が作られている可能性もある。
  • バンライファーやムスリム家族をなぜ取り上げたのか、意味不明だが、それぞれ谷本知事とつながる不思議。
  • 「どこでも自由に仕事できる」と言いながら、海が綺麗な光景の中で小さなバンの中……という引き撮りが記憶に残る。

(3)地域のあり方や関わり方について、気づきやアイディア、「もっと知りたい」と思ったポイントはありましたか?

  • 地域でサロンを実施している。地域の支え合い、おせっかいについて。無関心から皆が気づくことの必要性を感じる。災害時は特に公助に頼らず出来るだけ自立・自助に努められたらと思う。
  • 人と人との繋がりが大切ですね。
  • 自治会で防災の事を話し合う機会が作れたなと思います。
  • 現場最前線の人たちの声をもっと知りたい。何が弊害で、何が問題で困難なのか?  守るべきものと変わらなきゃいけないことの意味。

(4)上映後のお話、感想シェアはどうでしたか

  • 防災、被災地支援のお話しも聞けて良かったです。 自分達で出来ること、人との繋がりは必要ですね。
  • 上映前に主旨等の説明をしてほしかった。不勉強で申し訳ありません。
  • 菊山さんから貴重な話が聞けてよかったです。
  • 防災や能登地震の話題を語るには、映画のチョイスがいまいちだったと思う。(すみません……)
  • 思ったほど政治的な内容ではない真面目なドキュメンタリー映画だと思いました。
    「バンライファー家族」「イスラム教徒のインドネシア人の妻、イスラム教に改宗した日本人の夫とその夫婦の子ども」「石川県知事を中心とした石川県政」この3つの「ムラ」はそれぞれが独立し繋がりや関わりがないように見えて根っこでは繋がり深く関わりあっている点が印象的でした。
    バンライファーもイスラム教徒夫婦も谷本県知事から表彰されている。そして3つの「ムラ」での内容も似通っている。自由を求めてバンライフ生活を選択した夫婦、特に父親が子に対しては子が本当はやりたくない「日記」を書くよう求め子を束縛、子はそんな父に忖度している、その父も仕事場所の自由を手に入れるために妻から夫がいつ寝ているのかわからないと言われる程仕事に束縛されている、イスラム教徒の夫婦については夫は妻の信仰しているイスラム教に自らの意志で改宗、石川県金沢市では信仰の自由を求め、地域と交渉し「モスク」を作ったが、子に対しては夫婦の宗教を子に信仰させ子を宗教2世に、そしてイベント色が強く宗教色の薄い日本的クリスマスについてもキリスト教のイベントと切り捨てるのみで子の意志を確認せず束縛、子はそんな夫婦に忖度している、谷本石川県知事は初め森喜朗と敵対し反自民党勢力、反体制派で当選、若々しくやる気に満ち溢れていたが次第に県政与党である自民党の森喜朗、馳浩に近づき当選を重ね、28年間も権力を維持する中で県知事自身が森喜朗、馳浩に忖度、そしてそんな長期政権の県知事に対応する職員は意志を束縛され職員自身は県知事に忖度している。(その象徴であると思われる県知事の水差しの水滴を拭く職員はただ業務の一環として何も考えずに拭いているだけなのか、それとも忖度して拭いているのかはわかりませんが。)
    ただ、県知事は「選挙」で選ばれているので県知事に投票した石川県民にもアンチテーゼが投げかけられているのかもしれません。コロナ禍での他県ナンバーの車に対する差別、他県民お断りの張り紙に見られる自粛警察的なエピソードもそう感じました。
    そしてこれらの「ムラ」は石川県のみの話ではなく、日本全体を覆っていると感じました。私たちは自分自身が自由を求めながら他人の自由を束縛しているし自分自身も他人に忖度し他人に自由を奪われ行動し生活している。自由を求めるものは自身の幸福のみを追求するのではなく、自由の反面である、孤独や責任を受け入れる、受けとめる覚悟を持つ必要がありその上でその覚悟を持ち自由を希求して得た者によって構成される社会こそが望ましい社会の形態ではないか、などいろいろ考えさせられる深い映画だと思いました。
  • 県政のところ、岐阜県はここまで酷くないはず……と思って見てました。長期政権が2度も続くなんて、権力におもねる県民性があるのか。岐阜県は「隙あらば天下をとりにいく」下克上の空気があると思うので、石川県とはちょっと違うなと感じました。たぶん石川県の人にとっては、この作品が誕生したこと自体がエポックメイキングなことだと思うので、是非とも多くの石川県人に見ていただいて、感想を聞きたい。岐阜県は岐阜県で、変な慣習とかあると思うので、それを可視化して全国へ伝えたいものだ。さしあたって、選挙って変なことだらけだと思うんですが、誰かそういうドキュメンタリー作ってませんかね?
    県政から遠いところにいる、マイノリティ(例ムスリム)だったりニューウェーブ(例バンライファー)だったりする人たちも、県政に翻弄される(コロナ対応の影響受けたり、表彰されたり)。その県にいる人は誰も、県政とは無縁でいられない。県政って大きな力を持ってるんだなと思いました。
  • 女性たちが、夫の人生をも背負っちゃっている感じが、重かった。秋葉さんみたいな、旦那の禊行為に、妻も付き合わないといけないものか……? 私だったら旦那には一人でカーライフさせて、私は好きなところに住むかなぁ。ヒクマさんたち夫婦は踊ったりして楽しそうなのに、子どもたちは全然楽しそうじゃない。中川さんの顔も翳っていく。家族は一番小さな社会というけれど、家族の中にも力関係があって、ボスが決めたことに、他の家族員は否が応でも巻き込まれる。全員ハッピーなんてありえない。そういうリアルが垣間見えて良かった。全員ハッピーなんてありえない。でも、家族にしろ県政にしろ、運営していくためには、誰かがボス役を務めないといけない。このジレンマ(?)はどうやったら解決するのか。アンハッピーになる人のことを、ボスが忘れないことが大切なのかな?
  • それぞれの視点でしか見えていない世界、虐げられてる側の視点から見せたい。
  • ハセさん、谷本さん、森さん、みんな生まれも育ちも違うのに似たような政治家になっていくのは、「政治」という見えないブラックボックス・ルートに、謎の矯正があるのか。政治のしがらみ?(アメリカ?)
  • 見る人かどう感じるかその為にあえてナレーション無しだったとは!
    今の政治は 国民 県民を守る為の政治になってる? 差別 本当の平等って何? どう生きていくか 何が幸せか? 頭の中いっぱいになりました。そして、憧れるこんなバンライフ🚐 でもそれはそれまでの人生、本当の自分で生きていなかったからなのかも~ 素の自分を知る為の新たな生活の仕方、それを探る旅みたいで良いな〜と♪♪
    若くても年重ねてても、真の喜び幸せを持てたら最高ですよね。
    災害対策の事も知れて有意義な時間でした。他のところで「避難するとき電気のブレーカー落としてから避難、火がついていても戻らないこと」「外からガスの元栓も閉められる」「戻ったために帰らぬ人になった人もいる」と聞き、防災訓練も日頃のシュミレーションは大事だと改めて思った1日でした。
  • 「ドキュメンタリーはヤラセはないが編集はできる」と映画の中でも話されており、特に政治家について悪意を持った編集を感じた。しかし、監督より政治家のほうが命の危機が高い仕事では? ハセさんが一番、この映画での捉え方がかわいそうに感じる。新時代と言いながら、何も変えられない、象徴的な……。監督もムスリムの子を質問で攻め込んでいた。「良いことのためだから」と行動していって、誰かを攻めすぎてしまう。「人間なんてこんなものだ」を撮っていたのか? 
  • 「今回の能登半島震災が起きてすぐ【ボランティアは自粛しろ】の空気が強かったが、実際どうだったのか?」の質問が印象に残っている。あの空気を気にすることも「おもんばかり」の悪影響かもしれない。行きたい人は行けばいい、行動できることが大事かもしれない。でも、菊山さんの話を聞いて「能登半島は周囲からのルートが限られており渋滞で困るのも確か」と知った。平常時から複数ルートの開発も大事ですね。地域内外の情報ルートも大事。
  • ムスリムもバンライファーも一般的でないため、ごく普通な石川県民の空気も観たかったと思った。ごく普通な人たちは淡々と自分の身近な日常を生きているのかな…… と思った後、「でも映画に出てきたみんなが、石川県に生きてるのは間違いないんだよな」 一般的/そうでない人を分けて考えたくなった自分の感覚に疑問を感じた。たとえ身近な日常を生きていても、「普通の人」なんておらず、誰もが少しずつ異なる価値観を覗かせながら生きている。よく分からない人。よく分からない価値観。よく分からない政治。よく分からないから声を出さないで、遠くから見てるだけ。そこが「裸のムラ」なのかもしれない。分からなくても、声を出していこうと思った。隣の人に声をかけていこうと思った。
  • 小学生1年生と6年生の感想:

「どうしてこの映画が『裸のムラ』というタイトルになったのかな」
「裸の王様と同じ? 誰も何も指摘しないから?」

その他、「こんな悩みがある」「この映画も見たい」など

  • もっと地域活動を深く取り上げている映画が観たい。 岐阜をテーマにした映画が観たい
  • 防災意識をどうやって地域に広げていくのか。
  • 人権について。

防災士・菊山さんより、石川復興の最新状況

上映会の前日も、七尾市へ復興支援に行かれていたという菊山さん。

必要とされている支援とそうでない支援、余っている食糧の種類について、また課題となっているトイレの状況や対策など、細かに説明くださいました。

隣に誰が住んでいるか把握できている等、ゆるくても横つながりのあった地域は「周辺からは孤立していても内部で助け合って復興が進んでいる印象」など、日常が大事だと改めて気づかされました。

「せき防災の会」朝倉さんより、地域防災について

菊山さんのお話のあとに、「1月1日16時10分に地震が起こった当時、石川県はどんな様子だったか」 写真で説明くださった関市で地域防災を推進する「せき防災の会」の朝倉さん。

「こっちの建物は無事だが、こっちは建物が耐震でなく崩れている」「道路が液状化」など、それぞれに重みのある数十枚ある写真の中から、当日いくつかピックアップして準備くださいました。

「今日は防災について、トイレの話だけでも持って帰ってもらいましょう」

トイレの上にビニール袋を置いて用を足した後は縛る、凝固剤で固めてゴミとしてまとめる、携帯トイレや簡易な段ボールトイレの使い方などなど……

周囲に置かれた防災グッズ(非常食サンプルや建物の構造説明など)も、ひとつひとつ興味深かったです。

丁寧に準備いただき、本当にありがとうございました。

「せき防災の会」朝倉さん・紅谷さん、そして菊山さんは、小中学校や地域の防災イベントでも活躍くださっています。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

関市周辺で親子をつなぐ活動、今後も紹介し合っていけたら嬉しいです。

関市周辺の活動の紹介チラシ

LINEオープンチャット「せきまなび」

「あだ名など分かりやすい名前+所属名」で、ぜひご参加ください

https://line.me/ti/g2/5TWYPlTUGb2x4r78qe0iUkoM6EY2TFGmqiPN0A?utm_source=invitation&utm_medium=link_copy&utm_campaign=default¥

オマケ:清流の国ぎふ防災リーダー養成講座

「せき防災の会」朝倉さんより、お願いです。

地域や団体のリーダーの皆さんには「清流の国ぎふ防災リーダー養成講座」をぜひ受けてほしいです。毎年募集後すぐに埋まってしまいますが、これからの時代、全てのリーダーは「防災」も押さえていてほしいです。この講座を受ければ「防災士」の資格試験も受けられます。(防災士を取得すると「げんさい未来塾」の受講申請もできますが、1年に10人ほどで審査あり)

今後、地球温暖化の影響で気候変動による集中豪雨や今後予測される「南海トラフの巨大地震」に向けてハードもソフトも今から、日常からの備えを急ぐ必要があります。

「清流の国ぎふ防災リーダー養成講座」は、毎年5~7月頃? 募集開始されるようです。

現在,清流の国ぎふ 防災・減災センターの地域防災人材育成プログラムとしては,入門編の「防災リーダー育成講座(基礎編)」と,実践編の「げんさい未来塾」の2つのプログラムがありますが,入門編と実践編の中間レベルのプログラムに対する要望があります。

私たちが地域防災人材育成において感じている事は<「座学」だけを増やしても実際に動ける人は育たない>ということです.実際,主体的に活動できるようになっていく人は、実際に動きながら学べる場、いろんなところで顔の見える関係づくりができるような場があると見てきています。

防災人材として主体的に活動出来るようになるためには、このような「場」がまずもって大事であるという認識です。